夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
俺は今までも、何度もアカリに救われた。
彼女の優しさや、真っ直ぐで素直な心に、何度も励まされてきた。
本人が思っている以上に、良い女だと分かっていた。
…けど。
こんなにも、また”敵わない”と思い知らされる。
「……アカリは、すごいな。」
思わずそう口から溢れて、俺は微笑った。
迷いとか、不安とか、恐怖が、薄れてく。
「言ったでしょ?
私はどんなヴァロンでも、何度でも恋をして好きになるって。
それは、私が自分自身で決めて掴むの!薄っぺらで簡単な奇跡なんかじゃ、ないよ?」
占いの館の直後は、不安そうな表情をしていたのに…。いつの間にか、俺を支えてくれる立場に変わってる。
いつも俺が弱っている時に、彼女は強くなるんだ。
”どんなに困難な事があっても、その度に違いが補い支え合い、乗り越えられる理想のご夫婦ですよ。”…。
あの占い、確かに当たってるな。