夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「///…ヴァ、ヴァロンは…したく…ない?」
「///ッ……。」
でも、嘘でも無理でもなく、本当に俺を誘ってる表情のアカリに見上げられて断れる筈がない。
…ただ、こんな場所で抱く訳にはいかない。
俺は彼女に口付けて浴槽から抱き上げた。
「……ここじゃ駄目だ。寝室行こう?」
俺の言葉に、少し間を置いて静かに頷くアカリを抱き上げたまま風呂場を出て、軽くタオルで身体を拭く。
あの日以来。
俺はアカリと交わる事をずっと避けてきた。
クリスマスイブは次の日の仕事を理由に、それ以降はずっと明け方までの仕事を詰めていた。
触れたら、離せなくなると…。
ましてや、間違って孕ませたりでもしたら辛くなると思った。
ヒナタが産まれてからは、彼女の身体や生活の負担を考えて避妊を心掛けてきた事がせめてもの幸いだったと安堵してる。
アカリの気持ちを知らないこの時の俺は、そう思っていた。
……
………。