夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

「もう一つの、夢。
ヴァロンじゃなきゃ…。ううん、私とヴァロンじゃなきゃ叶えられない夢。
一緒に、叶えてくれる?」

「……もう一つの、夢?」

私の言葉にヴァロンは首を傾げて、”なに?”という感じにじっと見つめてくる。

夢を叶えようとする事が力になって、彼の瞳に光が戻るなら…。
私は夫であり、夢の配達人のヴァロンに願う。


「///…好きな人にそっくりな、男の子を産む事。」

私と一緒に夢を追いかける事が、彼の迷いを打ち消す事が出来る方法だと思った。

クリスマスイブに謎のクマさんから聞いた、ヴァロンの過去。
自分の容姿を、存在を否定され続けた彼に…。
必要なんだよ、って。貴方にしか出来ない事があるんだって、伝える。


「私、次の子供は…。
ヴァロンにそっくりな、男の子がほしいな///。」

「……アカリ。」

私が微笑むと、ヴァロンは目を閉じて…。微笑みながら、小さく溜め息を吐いた。
< 75 / 402 >

この作品をシェア

pagetop