夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

レナさんとレイさんのご両親は、互いに一緒の孤児院で育った幼馴染み。
つまり、二人には身寄りがなかった。
その結果。
レナさんはお金持ちの家へ奉公に出される事になり、レイさんは近くの孤児院へ引き取られる事になった。


「…女は色々と使い道があるから、って私にはすぐに引き取り手がみつかったんですけどね。
男はいらない、って私達は引き裂かれてしまう事になったんです。」

「泣き叫んで泣き叫んで…。ボク等を引き離そうとする大人達に必死に抵抗しながら、互いの手を握り締めていたら……。
ボクと姉さんを繋ぐ手を、大きな暖かい手が包んでくれたんです。」

「……それが、ヴァロン…さん?」

私の問い掛けに二人は頷いた。


ヴァロンさんは二人に、たった一言言ったそうだ。
”離れなくていい。”って…。

ヴァロンさんは周囲の大人達に自分の正体を明かして、二人を自分が引き取ると申し出た。
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