夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

……でも。
平穏な毎日が続くようにと、みんなが祈る中。
また少しずつ、何かが起きようとしていた。


「……あ、これ。今日の新聞ですよね?」

テーブルの上に置いてあった新聞。
何気なく手に取ったレナさんが、ある記事を見て驚く。


「!…この会社って……。
去年ヴァロン様が任務に行ってた所の、会社じゃない?」

「!……あ、本当だ。アラン様の会社の事だ。」

「?……。」

まじまじと新聞記事を見つめる二人を私が見つめていると、レナさんが私にも見えるように新聞をテーブルに広げてくれた。

そこに書かれていたのは”大手企業が契約を打ち切る”、というものだった。
この記事が意味する事がイマイチ分からなかった私に、レイさんが説明してくれる。


「この大手企業との契約は、ヴァロン様が依頼人に頼まれて取った契約だったんです。
…でも、今年度……。つまり、1年だけで来年度は契約を更新しない、って言われたみたいですね。」

レイさんの言葉に、その契約が切られる会社が大変な事は分かった。
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