夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
シュウがヴァロンとアラン様の間に兄弟関係があるかどうか、外国の有名な鑑定者に依頼してから結果が届くまで、間違いであってほしいと願い続けたが…。届かなかったか。
「…ヴァロンは、血液型も少し特殊なんです。
これまで幸い、大きな怪我や病がなかったから良かったものの…。いつも気にかけてました。
そう言った点では、同じ血液型の可能性が高い親族が見付かった事は喜ばしい事。でも……。」
「相手が相手なだけに、喜べん。か…。
しかも向こうは、すでにヴァロンと血縁関係にあると…気付いておるからなぁ。」
俯いているシュウに、ワシは一枚の依頼書を差し出した。
それは、ヴァロンへ届いた指名依頼。
「!…これは、っ…アラン様の会社?!
また、アラン様がヴァロンに依頼を申し込んできたと言う事ですかっ?」
依頼書を見てシュウは声を上げて、驚いたと言うより怒った様子でワシに視線を向けた。