夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
”なんで、依頼書を受理したんだ!”と言いたげな表情。
ワシだって避けてやりたい。
…だが。
依頼内容と金額が割りに合っていて、尚且つ依頼に危険性がない以上、ワシにはマスターとして依頼人の夢を砕く事は出来ない立場。
届いた依頼書を、個人的感情で突っ返す訳にはいかない。
「…大丈夫じゃ。
この依頼書はワシが受理しただけ。
ヴァロンの目に入れず、あやつが”受ける”とサインしなければ発生しない仕事。
みすみす、危険な場所に飛び込ませる事はせんよ。」
ワシがそう言うと、シュウは少し冷静になった様にハッとして…。
小さく「すみません。」と言った。
穏やかで優しい息子が、唯一反抗するのはヴァロンが絡んでおる時だけ…。
シュウの一番の夢は、叶えられるなら叶えてやりたかった。
だからせめて、シュウが守りたいと願うものは一緒に守ってやりたい。