夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
ユイとヒナタ、自分の二人の愛娘の物だった。
そして、今まで自分の名前で貯めてきた金は…。自分に何かあったら、全てアカリさんが引き継げるように手続きをした。
”よ〜し!頑張って、稼ぐかな!”
報酬に執着など全くなかったヴァロンが、家族の為に稼ぐ事で初めて微笑った。
ユイが嫁に行く前にある程度は貯めてやりたい、と…。急に父親の表情に変わった。
そんなあやつが…。
人を大切に想えるヴァロンが幸せになれない世界など、間違っとる。
例え相手がどれだけ強敵でも守ってやりたい。
「……ひとまず。
ヴァロンの記憶が戻っていない状態で、アラン様とこれ以上接触させる事は避けた方が良さそうじゃな。」
「そうですね。
本当はヴァロンの周りに、もう少し警備を固めたいんですが…。」
そうもいかない。という様子で黙り込むシュウ。