クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!~夏は別れの危機?!~
「うわ〜ラブラブだね〜人前であんな堂々と…」
隣で美蘭ちゃんが引いている。
「そんなこと言ったら美蘭ちゃんと音楽くんだって!」
「私は人前であんなことされたら殴るもん」
「うぅ」
「どこでも誰がいても受け止めちゃう沙良も沙良よね〜」
「そんな…」
仕方ないじゃん。
嬉しいんだもん。
好きな人からのキスなんて…やっぱりいつだってドキドキして嬉しい。
「そう言えば…なんで沙良は黒川くんのこと未だに苗字で呼んでるの?」
不思議そうに首を傾げて美蘭ちゃんが聞いてきた。
「…えっ、それは…」
「音楽のことは音楽って名前で呼ぶよね?」
美蘭ちゃんの彼氏であり黒川くんの幼なじみでもある愛葉 音楽くん。彼のことを名前で呼んでるのは…。
「美蘭ちゃん名前で呼んでるし、音楽くんもそう呼んでって言ってくれたから」
「じゃあ黒川くんは?」
「…それは」
確かに黒川くんにも「名前で呼んで」って言われる。
だけど…。
「…恥ずかしんだよね。意識しすぎちゃうって言うか…」
「何そのピュアすぎる理由」
「だ、だって〜」
本当に恥ずかしいんだもん。
このドキドキには、全然慣れないよ。