クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!~夏は別れの危機?!~
「ちょっとお兄ちゃんっ!勝手なこと言わないでよ。きっと、こうちゃんが付いて行ってくれるって言えばみんな喜ぶよ」
「沙良…」
「高校最後の夏休みなんだよ?絶対楽しい思い出作りたいよ。諦めてたけどこうちゃんのおかげで今すっごく嬉しいもん」
私は必死にお兄ちゃんに訴える。
「…でも」
「冬李、沙良はもう小学生じゃないぞ?」
腕組みしたこうちゃんが少し呆れた顔でお兄ちゃんを見る。
「…うるせーよ、」
「心配するのもわかるけど、俺これでも教師だし、少し信用してもいいと思うんだけど」
「……」
お兄ちゃんが私を心配してくれるのはありがたいけど、こうちゃんが言うように私はもう高校生だ。
今回くらい…。
「…わかった。でも、沙良に何かあったらまじで許さねーから。黒川くんに毎日近況報告してもらうし」
お兄ちゃんはそう言うと、ちょっぴり寂しそうな顔をして私の頭をくしゃくしゃっとすると、部屋を後にした。