クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!~夏は別れの危機?!~
嬉しそうにしゃべる沙良の声を遮って、低い声で彼女の名前を呼んだ。
「…ん?」
こうやって首を傾げる仕草だけでも…。
可愛すぎて、怒ってるのを忘れそうなくらい好きが増してしまう。
でも、俺にだけならいいその行為を自覚なしで他の男にもやってしまうから重症だ。
「あいつのことどう思ってんの?」
「…あ、あいつ?」
ほら…。
この流れで言ったら確実にあいつといえば決まってるのに。
「藤枝」
「あぁ、こうちゃんか!」
その呼び方も気に入らない。
俺のことは、なかなか名前で呼んでくれないくせに。
「優しいお兄ちゃんみたいな存在だよ!」
「兄貴は水着姿みたいなんて言わない」
「……いや、まぁ、そうだけど」
まぁ、冬李さんの場合『誰にも見せたくない』って理由で水着を着るのを許さないと思うけど。