クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!~夏は別れの危機?!~
げ。
顔を上げると、レジャーシートの上には大嫌いな奴が座ってこちらに『よっ』と手を挙げていた。
マジでなんなんだ…こいつ。
「今女の子たち楽しそうだから邪魔しないほうがいいよ」
シートを通り過ぎて別荘に戻ろうとしたら、藤枝にそう言われた。
「……ッチ」
舌打ちをしてから、少し離れて藤枝の隣に座る。
マジでありえねぇ。
「嬉しいよ。黒川くんがあんなに沙良を大事にしてくれて。昔の沙良は…」
どの目線だよ。
「あのさ」
俺の知らない昔の沙良を知ってるアピールをしたいのかなんなのか知らないけど、ムカついて話を遮った。
「お前、沙良のこと好きなの?」