クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!~夏は別れの危機?!~
そして…。
楓ちゃんに無理やり押されて男子部屋のある2階の階段を上ってたけど…。
やっぱり無理ー!!
チューとか無理ー!!
助けを求めて階段の下にいる楓ちゃんを見るけど、口パクで「はやく」と言われた。
これは黒川くんの部屋に行くまで降りられないやつだ…。
そして私は今、黒のフリルがついたビキニの上から、タオル地のパーカーをかぶってる格好をしてる。
『これを見せれば南夏の機嫌だって秒でよくなる』
楓ちゃんのその言葉を信じて。
───コンコンッ
渋々廊下を歩いて、右側のドアをノックする。
さっき美蘭ちゃんに「男子の3人は右の部屋」だって教えてもらった。
「あ、あのね黒川くん、私…」
多分開けてもらえないのかも…そんなことを思ったから、ドアの前でしゃべりだす。
(黒川くんと一緒に思い出が作りたい)
「私ね、黒川くんとっ……!」
─────ガチャ
あ、良かった。
ドアの開く音がしたので、もう一度伝えたかったセリフを言おうと俯いてた顔を上げた。
っ?!
「…沙良、どうした……っ、?!」
な、なんで?!