クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!~夏は別れの危機?!~
「俺とそのセンコー、どっちの方が好き?」
俺は藤枝を軽く睨んで沙良にそう聴く。
ちゃんと言ってくれよ。
俺だけじゃなくて、こいつの前でも。
「そ、そんなの…」
『言えるわけないじゃない』
『選べないよ』
沙良の口からならそんなセリフが出てきそう。そんな予想はもうできている。
だけど、だけどさ、沙良。
俺は、沙良を信じたいよ。
好きだから。
「そんなの………黒川くんに決まってるよ」
っ?!
「私は…ずっとそう思ってるよ。きっと、こ、藤枝先生だって、わかってるよ。そうだよね?」
沙良はそう言って、藤枝の顔を見る。
沙良が、彼をこうちゃんと呼ばなかった。
それだけで…。
「いや、初めて知った。すげーショック」
あ?
「えっ?!ちょ、、、」
藤枝のまさかの返答に沙良がアワアワと慌て出す。
「嘘だよ」
「えっ、」
「はぁ?」
藤枝は口角を少しあげると、沙良の頭を撫で出した。