クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!~夏は別れの危機?!~
「まさか公開告白するとは思わないじゃん」
ボソッとそう言った藤枝はフッと笑う。
「可愛い可愛い妹なのは間違いないからな〜本当に君でいいのか、テストしてた」
…冬李さんとまったく同じかよ。
「まぁ、最後に俺を殴ったりしたらさっさと冬李に報告して別れさせるつもりだったけどな〜」
「うわ、沙良、あんたどんだけ愛されてんのよ!」
楓がそう言って沙良の肩を軽く叩く。
「沙良が高校に入ったばかりのとき、大人しくなった沙良を心配して冬李がこの俺に一回だけ連絡よこしたことがあったんだ」
「お兄ちゃんが?!」
「あぁ。だから、ここに戻ってくるのが決まった時も正直心配で。…でも、心配することなかったな。沙良すげぇ友達たくさんいるじゃん」
初めて。
藤枝の裏のない笑顔を見た気がした。
親心みたいな気持ちで。
でも半分ふざけて煽ってるように見えたのは、素直に心配しているってことがほんの少し照れ臭かったからなのかもしれない。
「…こうちゃん」