クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!~夏は別れの危機?!~
「お前はそんな調子でいいのかよ」
俺は小声で音楽にそう言いながら目線を軽く水田に向ける。
「…だから、感謝してんじゃん。よぉーし!楓〜そこどけ〜そこどけ〜!」
「あー?」
「俺は今から大事な話すんのー!女子部屋借りるぞー!ね、美蘭ちゃん!」
「へっ、」
今まで黙って下を向いていた水田が音楽に突然手を掴まれて驚いた顔をしたけど、彼女の体は流れるように音楽の腕の中に入っていった。
「いってらっしゃーいっ!」
女子部屋へ向かう2人の背中を笑顔で見送る塚本。
ったく。
お前はもう少し楓の気持ち考えろよ。
「楓、頑張れよ」
俺は、軽く楓の肩をポンっとしてから、沙良と一緒にリビングを後にした。