クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!~夏は別れの危機?!~
両想い
「楓ちゃん…うまくいったかな?美蘭ちゃんと音楽くん、仲直りできたかな?」
まったく…。
俺たちだってまぁまぁ危なかったし、俺にとっては初めての喧嘩だと思っていたのに。
沙良はどうしてこう言う時でも人のことを気にかけてる余裕があるんだよ。
好きなやつと、一つのベッドで並んで寝てるんだぞ?
おかしい。
鈍感にもほどがある。
「大丈夫でしょ。っていうかさ…」
俺はクルッと体を沙良の方へと向ける。
「藤枝のことだって、音楽のことだって名前で呼んでるのに、なんで俺だけ未だに苗字なわけー?」
「…そ、それは」
口をもごもごさせながら、布団で顔をゆっくりと隠そうと沙良。
ったく、あざとすぎる。
けど…。
やっぱり可愛い。
苗字呼びなんてこの際どうでもいいから襲ってしまいたいと思うほどだ。