クールなヤンキーくんの溺愛が止まりません!~夏は別れの危機?!~
「2人の時だけは、名前で呼んでよ」
「……っ、」
ひょこっと目だけを出した沙良。
あぁ、ダメだ。
「俺、この数日すっげぇー我慢したんだよ?」
「我慢って…」
「早く、呼んでよ」
「……っ、」
「じゃないとチューするよ」
まぁ、俺にとってはどっちでもありがたいことなんだけど。
沙良はきっと、キスするのは嫌がって仕方なく名前で呼ぶだろう。
「さーら、どうすんの?」
「……っ、たい」
「え?」
顔を全部出した沙良は、上目遣いでこちらを見ながらもう一度口を開いた。
「えっと…チューしたい…です」
っ?!
お願いだから、俺にだけにしてくれよ。
「ほんっと、罪」
俺はそう小さく吐いてから、
「沙良からしてよ」
と意地悪に言う。
これくらい許してほしい。
沙良の罪はこんなんじゃ済まされないぞ。