【完】DROP(ドロップ)
それでも、圭矢が言ってくれた
『また引越したら連絡する』
そんな一言が嬉しかった。
また連絡してくれるんだ。
まだ“彼女”なんだって。
寂しくても、辛くても、苦しくても……あたしは圭矢が好き。
だから会えなくても、普通の恋が出来なくても。
別れたくない、圭矢との接点を無くしたくない。
その為なら、我儘だって言わないし。
都合の良い女になるよ。
そんな覚悟、いくらでも出来てる。
ただ……心の中で、胸の奥で。
思うだけならいいよね?
寂しいとか、哀しいとか、苦しいって。
思うだけは許してね、圭矢。
絶対、口には出さないから。
圭矢に“重い”そうだけは思われない様にするから。