【完】DROP(ドロップ)
そんな時、机の上で大きな音をたてて鳴り響いた携帯電話。
圭矢とお揃いの可愛いピンク。
部屋中に聞こえる着うたは、圭矢の、DROPの最新曲だった。
圭矢からだ!
高鳴る胸を押さえつつ、通話ボタンを押した。
「けっ圭矢!?」
《……声デカ》
裏返った上に、思ったよりも大きな声が出た。
それに呆れるような声が返って来る。
「あっ、ごめん。どっどうしたの?」
声のトーンを落として、正座をした。
『明日の昼まで時間出来たから、家いる』
それだけ伝えると切れてしまった。
『じゃあ行っていい?』
なんて聞かせてもくれない。
機械音を聞くのはいつもあたし。