【完】DROP(ドロップ)



そんな時、机の上で大きな音をたてて鳴り響いた携帯電話。


圭矢とお揃いの可愛いピンク。


部屋中に聞こえる着うたは、圭矢の、DROPの最新曲だった。



圭矢からだ!

高鳴る胸を押さえつつ、通話ボタンを押した。



「けっ圭矢!?」

《……声デカ》



裏返った上に、思ったよりも大きな声が出た。

それに呆れるような声が返って来る。



「あっ、ごめん。どっどうしたの?」



声のトーンを落として、正座をした。



『明日の昼まで時間出来たから、家いる』

それだけ伝えると切れてしまった。

『じゃあ行っていい?』

なんて聞かせてもくれない。



機械音を聞くのはいつもあたし。




< 132 / 374 >

この作品をシェア

pagetop