【完】DROP(ドロップ)



「そんな見ないでくれる?」



突然開いた目とバッチリ視線が絡まり、一瞬止まってしまう。



「ギャー! けけけっ圭矢?!」

「うるさ……何?」

「いっ、いつから起きてたの!?」

「……いつからそこに居たの?」



えぇ?

いつから!?


えっと……ちょっと前。


いや、大分。

えっと……どれくらい見てた?


パニックに陥った頭の中は爆発寸前。

あまりにも顔が近くて、心臓は飛び出そうな位にドキドキと煩い。



「雫……落ち着けば?」



そう言いながら起き上がった圭矢は、そのままお風呂に入った。


あたしは、真っ赤な顔を両手で押さえて動けず、その背中を静かに見送った。



あぁ、もう!

本当に私の馬鹿っ!

ただの変態じゃないっ!




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