【完】DROP(ドロップ)
洗濯籠に洗った洗濯物を入れてハンガーに干していく雫。
「ねぇ、圭矢。やっぱり、乾燥機買おうよー」
そう言いながら、洗濯物をパンパンと叩きハンガーを取る。
「部屋干しって中々乾かないしね?」
振り返り言った後に、干されていく俺のシャツ。
「圭矢ー、聞いてるー?」
「うん、聞いてるよ?」
ベットに寝転び、顔だけを雫に向けた俺を見て
『どうして笑ってるの?』
って首を傾げた。
「いや、雫って奥さんみたいだなーって思って」
楽しそうに俺の洗濯物を干してさ?
電化製品のリクエストしてさ?
なんか、奥さんみたいだなって……思っただけなのに。
洗ったばかりの洗濯物を握り締めて、恥ずかしそうに俯く雫。
「え? どうしたの?」
「……奥さんって」
そう言いながら赤くなる顔。
あぁ、それで?
それだけで?
本当に雫は可愛い。
そんな些細な事で、真っ赤になってさ?
どうしてこんなに可愛いんだろう。