【完】DROP(ドロップ)
この間、圭矢から初めて聞けた“好き”って言葉。
沢山してもらった“キス”
圭矢の仕事がこんなだから、
言いたい事は言って欲しい、とか。
我慢しないで、とか。
我儘でもいい、とか。
いっぱいいっぱい言われて、それだけで舞い上がっちゃってた。
確かに、忙しいからすれ違いだってある。
あれは、そういう意味で。
こんな朝早くから来てもいいって意味ではなかったよね。
これじゃあ、仕事に影響しちゃうじゃん。
あー……あたしの馬鹿。
「本当にごめんね?」
「もう謝り過ぎだって」
首だけを、あたしの方へと向けて呆れた顔の圭矢。
「ごめんー……」
やっぱり謝るだけのあたし。
「ちょっとでも圭矢に会いたくて……ごめんね」
そう、ただ会いたかった。
それだけのあたしの我儘。