【完】DROP(ドロップ)
首の後に手を当てて、あたしの方を向いていた圭矢が、その場で立ち止まった。
へ?
その姿を見上げると、驚いた顔。
え?
かと思ったら、そのまま俯いて頭を掻き始めた。
「圭矢?」
不思議に思ったあたしが声をかけると、頬を真っ赤にした圭矢が、
「雫、ハッキリ言い過ぎだから」
って。
え。
えぇ。
えぇぇ。
照れてる?
あ、会いたかった。とか、あたしサラッと言っちゃったよね。
同じ様に頬を赤く染めたあたしに、クスっと笑った圭矢は、
「そんなとこで立ち止まってないで、座れば?」
とリビングのドアを開けて待ってくれていた。