【完】DROP(ドロップ)
第2話【思わぬ展開】
「敵も中々、やるわね」
休み時間、菜摘があたしの話を聞いて呟く。
圭矢君に振られた後、あたしは電車に乗るのも忘れてホームに呆然と立ち尽くしていた。
気付いた時には、人で溢れ返っていた駅が落ち着きを取り戻し始めた頃だった。
慌てて電車に飛び乗るも“遅刻なし3週間”は、あっと間に終了。
遅刻して先生に怒られながらも、圭矢君に言われた言葉を思い返すばかり。
「恋と一緒に遅刻ナシも終ったんだよ」
ボソッと言ったあたしに、
「はぁ!? 諦めるつもり? たったそれだけで。あんたの恋はそんなに簡単なものだったの!?」
大きな声で菜摘が迫って来る。
すごい迫力……。