【完】DROP(ドロップ)
圭矢が何をしたいのか、何を言いたいのか考える事も出来ない。
ただ恥ずかしくて。
ドキドキしちゃってて。
「……会うのアレ以来だよね」
アレ以来。
その言葉で、赤くなったあたしの顔は、もっともっと赤くなる。
だって思い出しちゃうんだもん。
何回もキスした日。
初めて圭矢と向き合った気がした。
初めて圭矢の気持ちが聞けた。
あの日は、凄く特別で。
家で一人思い出しては、赤くなったり。
なんて馬鹿みたいな事をしてたんだ。
「それなのに。予定外にこんな朝から来てさ」
え。
あ、やっぱり朝から来たのがマズかったのかな。
……だから帰るって言ったのに。
「普通にテレビ観て喋ってるし」
だって、圭矢がつけたんじゃん。
そもそも圭矢が観出したのに。