【完】DROP(ドロップ)



結局、帰りに皆でゲームセンターへとやって来ている。

勿論、行くつもりなんてなかった。



だけど。



バイトが終わって携帯をチェックしたら、受信メール1件、圭矢から。


内容は、あたしが喜ぶものではなく。

忙しいから2~3日連絡出来ない、だった。



「おい、お前何すんの?」



ボーッとしていたあたしを“お前”って呼ぶ巧。



「お前じゃないよ、雫」

「あぁ、はいはい、雫ね。で、何すんの?」



素直に呼び直したかと思えば、呼び捨てな上に“はい”を2回も言った。



「何って、松本君と菜摘に聞けば…って、あれ? 2人は?」



さっきまで一緒に居たはずの2人が居ない。

キョロキョロと見回した。



「プリクラ撮るのに並んでる」

「へ!?」



指差された方向へ目をやると、イチャイチャしながら、数人後に並んでる2人。



「じゃあ、あたし達も」

「待てって」



2人に並ばすのなんて悪い。

並んでる輪に入ろうと思ったのに、掴まれた腕。


振り返ると、巧が呆れた顔をして



「2人で、並びたいんだろ。お前もわかれよ」



って、溜息をつかれた。


あぁ、なるほど。


と納得してどうすんのよ!

今、馬鹿にされたよね。
絶対されたよね?




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