【完】DROP(ドロップ)
「ねぇ、やめようよー」
「何言ってんの! 私がガツンとメアドくらい教えてって言ってあげるからっ」
次の日、駅のホームで圭矢君探す菜摘。
わざわざ、遠回りをして朝から一緒に圭矢君を待ってくれているんだけど。
どこをどう間違ったのか菜摘は怒っている。
あたし、話するの下手なのかなぁ?
何で、菜摘は怒っているんだろう。
告白して振られただけなのに。
って、圭矢君だ!!!
ホームに現れた圭矢君を見つけたあたしは、キョロキョロと辺りを見回す菜摘の腕を引っ張り柱へと隠れた。
「ったぁーい。何すんのよ?」
いきなり引っ張られた菜摘は怒りながら振り返った。
それを上手く説明出来ないあたしは首を振りながら、
「あれ、圭矢君」
と人差し指を向けて伝えた。