【完】DROP(ドロップ)
「あ、雫がいきなり告白したんですって? すみません、この子、唐突で」
はぁ!?
この光景に驚いていたあたしは、菜摘の一言で更に驚く。
てかさ、イケイケって後押ししたのは菜摘じゃないっ!
「あ、あぁ。別に」
チラッとあたしに目を向けた圭矢君。
一瞬、目が合っただけで顔が真っ赤になる。
「でもねー。すっごーく本気なんですよ。ね、雫?」
「へ、へ!?」
驚くだけのあたしの背中を叩くから『はいっ』と返事をした。
「ね、だから友達って事でいいですよね」
「え、あーうん」
何故か、菜摘のお陰で、お友達になれた圭矢君とあたし。
どうしてそうなったのかは、あたしが聞いていなかったから悪いんだけど。
いつもの菜摘のオバサンパワー並の迫力で押し切ったらしい。
『嫌って言う前に、押し切っちゃえばいいんだよ』
なんて、流石……とか言いようがない。
メアドは無理だったらしいけど、振られてから友達になれるなんて。
終ったはずの恋が復活するなんて。