【完】DROP(ドロップ)
-drop story-圭矢
「何だコレ」
渡された週刊誌をみて自然と呟いた一言。
そこには俺のマンションに入る
――杉下奈央
マンションから出て来る
――俺
――KEIのマンションに通う杉下奈央
通ってないから。
――仲良く歩く姿を見たとの目撃情報も!?
歩いてないし。
「すまん! 圭矢っ」
椅子に座る俺の前で楽屋の床にひざまずき、拝む様に両手を合わせて謝るのは、同じグループの陸だ。
「多分、その歩いてた相手。俺だわ」
あぁ、なるほどね。
陸と俺は背格好が似てる。
深くキャップを被れば遠くからなら、わからないはず。
実際、ファンの子にも間違われた事があるくらいだしね。
陸は、杉下奈央と付き合っている。
女関係の酷かった陸は、女の子を全部切ってまで、猛アタックしてたし。
相当、好きみたい。