【完】DROP(ドロップ)
あぁー。
圭矢君……。
哀しくも、あたしと圭矢君の間には、おじさんが1人。
それでも、いつもよりは近い距離に喜ぶあたし。
背の高い圭矢君は、頭ひとつ分出ているから見上げると見えるんだよねー。
横顔もかっこよくて、つい見惚れてしまう。
何度か開いたり、閉まったりする電車のドア。
一番MAXに混む車内。
うぅ……苦しい。
そう思いながらも後2分で着く駅までの我慢。
圭矢君が降りる駅でもある次の駅で、大体の人は降りてくれるから。
同じ満員電車でも、すこーしだけ息がしやすくなる。
そう思っていた時だった。