【完】DROP(ドロップ)



うっわ。


手が。


手が。


お尻揉んでるよ!



圭矢君に助けを、って思っても前にいるおじさんが邪魔で無理だし。

ちょっと涙目になりながら、見上げる圭矢君は全く気がついていない。



気持ち悪さに耐えて、どのくらい?



やっと、車内に流れるアナウンス。


『次は●●~。次は●●~』


いつもホームで聞くアナウンスは、圭矢君との時間を割くから大嫌いだけど。


今はこの声が恋しくてたまらない!


ゆっくりになる電車。


早く、早く、早くーーー!!!



いつもならアナウンスが流れるとあっという間にホームに着くくせに。


こんな時だけ異様に長く感じる。


ホームが見えた!



その時だった。



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