【完】DROP(ドロップ)
「告白されたじゃん」
「こ、告白はされたけどっ……」
「嘘つき」
あー。
今の凄い意地悪だったかも。
でも、言って欲しかったんだ。
告白された時に、言って欲しかった。
どうする事も出来ないかもしれない。
俺に何が出来るんだ!?
自分でもそう思う。
だけど、言って欲しかった。
なんてただの我儘だね。
俺の言った言葉に、どんどん下がる眉。
今にも泣き出しそうな顔が、やっぱり可愛くて、
「あ、泣きそうな顔してる」
なんて、つい言ってしまう。
すると、どんどん瞳に涙が溜まって。
「さっき、もう泣かない。って言ってたのに」
雫の頬へと手を伸ばそうとした。
だけど
『圭矢の意地悪……』
そんなセリフを吐いて、向こうをむいてしまったんだ。