【完】DROP(ドロップ)
【番外編】-drop story-巧
*:.。.番外編-巧.。.:*
いつから“好き”だったなんかなんて。
そんな事は、正直わかんねぇ。
気付いたら、目が追っていた。
何か気になって仕方なかった。
見る度に笑ってるな、そう思ってただけだったのに。
時折見せる、切ない様な哀しい様な表情。
その原因が何なのかを知りたくなったんだ。
でもチャンスなんか中々なくって。
松本の事が好きらしい女の付き添いのお前に、
『俺、松本の友達』
とか明るく言えるキャラでもない。
気付けば今日は来ないんかな? なんて思ってて。
気付けば今日も笑ってるって嬉しくなって。
気付けば、好きだった。
そう思っても、やっぱり何の接点もなくて、話すキッカケすらない。
でも、それでもいいかなって思い始めてた。
見つめるだけの片想いもアリなんじゃねぇかなって。