【完】DROP(ドロップ)
だけど、チャンスは突然訪れた。
小学生からの付き合いになる松本と、高校に入ってすぐ始めたバイト。
別に同じところにする予定なんかなかったけど、時給の良さに2人で飛び付いた。
夏休みは、人手が足りないらしくて殆どバイトだったけど、金もねぇし。
女だっていねぇし。
これといった予定もなかった俺からすれば、普段よりアップした時給は魅力的だったんだ。
それだけのはずが。
いつも俺と同じ持ち場のおばちゃんから、新しいバイトを紹介されて驚いた。
「宜しくお願いします」
少し緊張気味に言ったお前……雫だったなんて。