【完】DROP(ドロップ)
「あ、じゃあ。あたしそろそろ帰るね」
「もう、こんな時間なんだ。じゃあ送って行く」
「ううん、大丈夫。車で帰るし。それより……」
菜摘さんが俺へと視線を向ける。
それを見て松本も俺を見た。
「えっ、あ。俺邪魔?」
キスでもしたかったのか?
あぁ。
そっか。
付き合ってるコイツ等からしたら俺ってすげぇ邪魔な存在だよな。
悪かったな、そう立ち上がろうとした俺に、
「ち、違うよ! 何かあったんでしょ、元気出してね!」
そう笑って帰ってしまった。
雫に男が居る事すら気付かない菜摘さんにまで気付かれる位、俺凹んでんだ。
でも、あー、だよなぁー。
確かに、最強に凹むわ。