【完】DROP(ドロップ)
「な、奈央ちゃん?」
「ねぇ、陸。これってドキドキしない?」
俺の手に重なる奈央の手。
「ちょ、ちょっと!?」
「じゃあ、これは?」
スルッと絡まる細い指。
「え? えぇ?」
「じゃあ、これなら?」
そのまま俺の肩に乗った奈央の頭。
俺の心臓はMAXで。
奈央の爽やかで優しい香水の香りとか。
肩に感じる体温とか。
絡まった俺より少し冷たい指とか。
何か、そんなの全部で頭がクラクラするんだけどっ!
「奈央ちゃん、はっ、離れて!」
肩を掴み、俺から離した。
ヤバイ……心臓が持たない。
「ね、ドキドキした?」
まだ聞くか!
そう思って顔を上げたら、そこには俺と同じ様に顔を赤くしていた奈央が居たんだ。