【完】DROP(ドロップ)
だって。
芸能人とかって、雲の上の存在?
そんな感じがして、イマイチよくわかんないんだもん。
そりゃ、かっこいいなーとは思うけど、役柄が変われば好きにもなるし、嫌いにもなる。
バラエティに出て、面白ければ好きにもなる。
だけど、そこまで熱狂的にファンって人はいない。
歌手だって、売れていれば聞くし。
売れていなくても好きな曲はある。
そんな感じ。
「もーう。雫もいないの、好きな人!」
少し考えて、浮かんだのは……
「はい、圭矢君は却下ね」
言う前に、先に言われてしまった。
「え、いや。そんな圭矢君だなんて……」
「あー! そうだ」
バレていた事に恥ずかしくなったあたしが話しているのに、それを無視して大きな声を出す菜摘。
もう、何なのよ。
あたしの話を聞いてよねー。