【完】DROP(ドロップ)
「もしかして忘れるわけじゃないよね?」
「何が?」
「バレンタインに決まってるじゃない!」
怒って言われて、やっと気が付いた。
そうだ!
もうすぐバレンタイン。
すっかり忘れていた、あたしは口を“あ”の字に開けて驚いた顔をした。
そんな、あたしを見ながら
「まぁ、雫の場合。今更バレンタインに告白ってわけでもないんだろうけど」
なんて、馬鹿にしたように笑った菜摘を睨む。
確かに。
圭矢に今朝も告白して振られたよ。
だーけーど。
バレンタインは特別じゃない。
とか言いながら忘れてたけどね?
それでも、ワクワクドキドキしちゃうんだもん。