【完】DROP(ドロップ)
このバレンタインの告白を最後にしよう……かな。
そう思ってるんだ。
何回も何回も振られてるのに、それでもしつこく告白してさ。
いい加減にして欲しいって思ってるんじゃないかな。
だけど、そう言われないのを良い事に毎朝一緒の電車に乗って。
あたしばっかりベラベラ喋って。
もし、あたしが好きじゃない人にそういう事をされたら迷惑……って思うし。
じゃあ、あたしの事を好き? ……とは、微塵も感じないんだよね。
だから、いいチャンスだと思う。
圭矢に想いを伝える最後のチャンス。
振られるってわかってるのに、告白なんてするのは馬鹿みたい。
そうかもしれない。
だけど。
好きになってしまった気持ちを止める事なんて出来ない。
勝手な言い分だけどね。
でも、これで本当に最後だから。
迷惑なあたしの告白に、うんざりしなくても済むよ。
だから、だからね?
後、1回だけチャンスを下さい。