【完】DROP(ドロップ)



たまに、



笑ってくれるところとか。

優しく見つめてくれるところとか。

自分の話をしてくれるところとか。

眠そうな顔とか。

意地悪な事を言うところとか。



全部が好きだったんだ。



そんな事を考えると胸が苦しくなって。

涙が出そうになった。



あたし、最後のチャンス、後1回だけって決めた告白をまだしていない!



そう思ったら、電車が次に止まった駅で降りていた。

あたしの学校は、まだ先。

階段を駆け下りると、向かいのホームまで走ってあがる。

そして来た電車に飛び乗った。


いるか、いないかなんて保障はないし。

さっき見た人だって圭矢じゃないかもしれない。

もし圭矢だとしても、あたしが駅に着く頃には圭矢はいない。

そっちの方が確立は高い。



だけど。



だけど。



どうしても行きたかったの。

どうしても自分の目で確かめたかったの。



もし居たら、最後の告白してもいいよね?



それで振られたら、諦めるから。



絶対、諦めれるから。



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