【完】DROP(ドロップ)
また、電車が1本ホームから走り出した。
それに目を向けた後に、ホームの時計を見上げようと顔をあげた瞬間……。
居たんだ。
そこに、雫が。
ただ、何故か雫は走って来ていて、その勢いはかなりのもので。
俺はその場に立っているだけだった。
ちょ……、有り得ないから。
そのままの勢いで飛び込んで来た雫に思った言葉は言えず、
「うわっ」
と、押し倒されてしまった。
後に椅子があったから良かったけど、もしなかったら怪我したっておかしくはない状況。
だけど、俺にはそんな雫がおかしかった。
こんな女の子、他にはいないよね。
普通、飛び込んで来る?
男を押し倒おす?