【完】DROP(ドロップ)
第5話【あたしたちの距離】
――プルルルルル……
あ、繋がる。
携帯を耳にあてると聞こえてきた呼び出し音。
何度かその音を聞いていると
《はい》
相手が出た。
ギュッと握り直す携帯。
一気にあがる心拍数。
「あ、えっと。上原といいますが、どちら様の携帯なんでしょうか?」
訳のわからない質問と、少し高くなった声。
そんな、あたしの耳に届いた声は、
《……雫? 新手の嫌がらせ電話?》
け……圭矢だ。
本物の圭矢だよ!