【完】DROP(ドロップ)



学校が終わり校門を出た瞬間、取り出した携帯から電話をかける。



中々出てくれない電話は一度留守番サービスセンターに繋がった。


懲りずにもう一度かけると眠そうな声が聞こえた。



《……はい?》

「あ、圭矢寝てた?」

《んー……》



寝ぼけながら携帯に出た圭矢は、そのまま眠ってしまいそう。



「ごめんね! でもちょっと聞きたい事があってね?」

《……》

「圭矢!?」

《……んー?》



聞いているのか聞いていないのか。


わからない圭矢だけど、どうしても言いたくて、そのまま続ける。



「あのね、前に菜摘が写真撮らせてって言ってたの覚えてる?」



どこから説明すればいいのかもわからなくて、取り合えずは雑誌に応募した事から話そう。


そう思って話を進めるのに。



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