【完】DROP(ドロップ)
まだ付き合って間もないし、仕方がないんだと思う。
好きなのは、あたしだったし。
圭矢は、あたしに押されて“負けた”だけ。
だから頑張ってるんだけど、距離は全然縮まらなくて。
朝会えないだけで、その距離は広がっちゃったんじゃないかって思っちゃうんだよね。
だけど、ここであたしが駄目だと思ったら、あたしと圭矢なんてすぐに駄目になっちゃう。
だから、あたしが。
もっともっともっと頑張らなきゃいけないんだ。
「あ、圭矢!?」
色々考えているうちに気付けば、圭矢からの返答はなくなっていた。
何度呼びかけても、うんともすんとも言わない。
1度切ってかけ直すと話中。
あぁ、駄目だぁ~。
――連絡欲しいです。
一応メールだけして、仕方なく家に帰った。