【完】DROP(ドロップ)
――~~~♪
んー……。
あ、携帯!?
ハッと気付けば圭矢からの電話に待ちくたびれて寝てしまっていた。
慌て、鳴り響く携帯に手を延ばした。
「はっ、はい!」
《あ、雫?》
少し心配そうな圭矢の声。
「うんっ」
《もう切ろうかと思ってた》
「あ、ごめんね」
《ん……》
少し流れた沈黙が、何だか恐くて
「圭矢?」
そう名前を呼んだ。
《雫、今出れる?》
「えっ!?」
立ち上がり、部屋の窓から下を見ると圭矢らしき姿が見える。
カーテンと窓を開けると、こっちを見上げた。
「圭矢!? ちょっ、ちょっと待って」