【完】DROP(ドロップ)
「今日、撮影現場みてさー。モデルってもっとチャラチャラしてるんだと思ってたんだけど、全然違うんだよね。何かかっこいいなーって思ってさ」
圭矢の表情を見て、自然と笑みが零れていた。
圭矢、モデルすっごくしたいんじゃん。
今まで隣でずっと見上げて来たんだよ?
わからないわけがないでしょ。
圭矢が、こんなに楽しそうに話す顔なんて初めて見た。
こんなに自分の気持ちを言ってくれるのも初めてだよ。
もう決まってるんでしょ、圭矢の中では。
それなのに、あたしのところに来て聞いてくれるのは、あたしが彼女だから?
そう思っていいのかな。
なら、あたしは応援するよ。
さっきまでの勝手な考えなんてすぐに捨てれるんだから。
だって、あたしは圭矢が好きなんだよ。
好きで好きで好きで、やっと彼女になれて。
なのに、その圭矢を応援しない。
そんな事するわけないでしょ。