【完】DROP(ドロップ)
「頑張ってね、圭矢」
「え?」
「モデル、頑張ってね! あたしファン1号ね!」
「……いいの、雫?」
「いいのも何も、圭矢やりたいでしょー?」
「そっ、そんな事ないけど……」
そう言って、恥ずかしそうにそっぽを向く圭矢が可愛かった。
それをクスクス笑っているあたしの頭をガシガシと撫でて、
「雫、生意気だよ」
なんて、少し染めた頬で言われても恐くないんだから。
「あは。あたし生意気だよー」
「言うね。でも……」
え?
そのまま黙ってしまった圭矢を見上げると、少し近づいた顔。
思わず、真剣な顔に肩がすくんでしまった。
これってキ……ス?