【完】DROP(ドロップ)
「だ、だ、だ、大丈夫!」
真っ赤な顔で、凄い勢いで噛んで。
両頬に手を当て俯いた雫が可愛くて、笑って誤魔化したんだ。
さっきのは、嫌がったんだって思いたくなかったから。
まだ……早かっただけだって思いたかったから。
この先、キスしたいな……そう思っても中々出来なかったのは雫のせいなんだからね。
俺の意気地がないせいは、絶対言わないから。
全部、雫のせいにするセコイ男なんだよ、俺は。
ねぇ、雫。
そんな俺の事、本当に好き?