second Life~主婦だって、恋してる~
そして迎えた月末。今日は午後からの試合なので、華は、サンドイッチを作って試合会場に向かった。

鈴は今日も友達の家。

和也は今日も家でゴロゴロ。

会場についた華は、キョロキョロしながら、健吾の姿を探す。が、どこにも見当たらない。

用が長引いてるのかな、華はそう思った。だって、健吾は必ず見に行くと言ってくれたから。だから、とくにメールも電話もせず、試合に集中する事にした。

「…正樹!頑張れ!」
「…」

華の言葉に、何を言うでもなく、正樹は手だけを挙げて答えた。

ホイッスルと同時にキックオフ。

始まって10分が過ぎようとしていたが、健吾はまだ来ない。急用でこれなくなったのかもしれないと華は思った。

接戦の試合に、正樹のチームは苦戦を強いられた。

そんなときだった。

「…Y高!頑張れ!」

男の大きな応援する声。

華は驚いて声の方を見ると、スーツ姿の健吾だった。

急いできてくれたんだろう。汗が流れていた。

「…三宅さん、来てくれたんですね。お仕事だったんじゃないですか?」

「…遅れてすみません。仕事、急いで終わらせてきました。応援がしたかったので」

そう言って爽やかな笑顔を見せた健吾に、華はドキッとせずにはいられなかった。

「…ありがとうございます。これ、使ってください」

可愛らしいタオルを健吾に差し出した華。

「…いいですよ。汗くさくなる」
「…ダメです!風邪引いたらいけないでしょ?」

お母さんの口調に、健吾は笑って、タオルを受け取った。


「…ありがとう」
「…いいえ。あ!正樹!いけ!翔くんも!」

…試合は、健吾の最初の応援の言葉を境に、正樹の高校が押し始め、結果、4-3で、正樹の高校が勝利した。

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